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「MY FIRST STORYの狂熱ライブ:アジアツアー東京公演で見せた“カオスと一体感”」

「MY FIRST STORYの狂熱ライブ:アジアツアー東京公演で見せた“カオスと一体感”」

MY FIRST STORY、豊洲PITで見せた「狂熱」の正体──バンドとファンが紡ぐ“体験”の未来 『MY FIRST STORY ASIA TOUR 2025』の最終章となった豊洲PITでの東京公演。10月8日の2日目公演は、まさに「すごいライブ」という言葉がふさわしい熱狂の渦だった。アジア6都市を回り、国内ツアーを経てたどり着いたこの舞台で、マイファス(MY FIRST STORY)は、バンドとファンの深い結びつきを改めて証明してみせた。 Hiro(Vo)が「全力でかかってこい!」と叫び、ライブがスタート。序盤から観客はペース配分を忘れたかのようにステージに押し寄せ、8曲目の「MONSTER」までMCを挟まずに一気呵成に駆け抜けた。Kid'z(Dr)が「昨日よりヤバくない?大丈夫!?」と観客に呼びかける場面もあったが、それも無理はない。この日のセットリストは、Hiroが「自分が届けたいという意思に全振りして」選んだ20曲。新旧織り交ぜた楽曲には、バンドの歩みと、今のマイファスが伝えたいメッセージが凝縮されていた。 MCコーナーでは思わぬサプライズも。Kid'zがゴルフのキャディさんがファンだと話した流れで、Hiroが冗談で「今日来てるかな?」と客席に問いかけると、なんと手が上がるという展開に。さらに、マニラ空港で出会ったファンや、Hiroのカード会社の担当者までもが客席にいることが判明し、会場は驚きに包まれた。こうしたエピソードからも、マイファスとファンの間の絆がライブを通して深まっていることがひしひしと伝わってきた。 前半戦では、ラウドロックをバックボーンにしながらも、Hiroのハスキーな歌声がエモーショナルなメロディを紡ぐマイファスらしさが全開。「You’re already dead」から「蜃気楼」、「Smash Out!!」と、ジャンルを跨ぐセットリストが観客を魅了した。特に「Tomorrowland」では、Nob(Ba)のベースプレイが光り、バンドの技術力の高さを再認識させた。 「ここからノンストップで行きます!」とKid'zが宣言し、後半戦がスタート。「ハイエナ」から「Zero Gravity」まで、1曲ごとに変化をつけながら、観客のシンガロングは最後まで止むことがなかった。「Missing You」では、Hiroが「一緒に歌いましょうか」と呼びかけ、会場一体となっての大合唱が生まれた。ラストナンバーは「With You」。Hiroが「僕からのメッセージです」と語ったこの曲は、ファンへの感謝と愛が詰まった一曲で、アンコールなしでも完全燃焼したライブの締めくくりにふさわしかった。 「体験」が音楽を超越する時代──マイファスの戦略と影響 筆者は、今回のライブが単なる音楽イベントではなく、バンドとファンが共に創り上げる「体験」の集大成だと感じた。特に印象的だったのは、Hiroがセットリストに込めた「届けたい意思」だ。定番曲だけでなく、マイナーな曲も積極的に取り入れた点は、ファンの多様なフェイバリットに応えようとする姿勢の表れだろう。これは、現代の音楽シーンにおいて「ファンとのつながり」が重要な要素となっていることを示している。 近年、ストリーミングサービスの普及により、音楽はいつでもどこでも聴けるものとなった。しかし、その反動として、ライブやアーティストとの直接的な交流を求めるファンが増えている。マイファスは、そんな時代のニーズを的確に捉え、ライブを「体験」として昇華させている。例えば、MCでのファンとのやり取りや、サプライズ要素は、単なるパフォーマンスではなく、バンドとファンの距離を縮めるための戦略的な演出だと言える。 「ラウドとエモーショナル」の融合がもたらす文化的影響 マイファスの音楽性は、ラウドロックとエモーショナルなメロディの融合が特徴だ。この独特のスタイルは、若者を中心に幅広い層に支持されている。筆者は、この融合が現代の若者の心情を反映していると考える。不確実性の高い時代を生きる若者たちは、激しいサウンドでストレスを発散しつつ、エモーショナルな歌詞に共感を求める。マイファスの音楽は、そんな若者の「二面性」を代弁しているのだ。 さらに、彼らの音楽はジャンルを超えて広がっている。今回のライブでも、ロックだけでなくポップスやバラードまで幅広い楽曲が披露された。これは、音楽の境界線が曖昧になりつつある現代のトレンドを象徴している。マイファスは、そんな時代の先頭を走る存在だと言えるだろう。 未来のマイファス──「体験」の進化とグローバル展開 今回のツアーはアジア6都市を回るグローバルなものだったが、マイファスの海外での人気も着実に高まっている。特に、マニラ空港でのエピソードは、彼らの影響力が国境を超えていることを示している。筆者は、今後マイファスがさらにグローバルな舞台で活躍する可能性が高いと予想する。 また、彼らのライブは今後も進化を続けるだろう。テクノロジーの進歩に伴い、VRやARを活用した新たな「体験」が生まれるかもしれない。例えば、自宅にいながらライブ会場にいるかのような臨場感を味わえるバーチャルライブや、ファン参加型のインタラクティブな演出などが考えられる。マイファスは、そんな未来のエンターテイメントをリードする存在になるのではないだろうか。 筆者の個人的な視点──「狂熱」の正体とは 最後に、筆者自身の体験を交えて書きたい。ライブ中、観客の熱気とバンドのパフォーマンスが融合する瞬間、そこには言葉では表現できない「狂熱」が生まれていた。それは、音楽を超えた何か──人間同士のつながり、感情の共有、そして「今この瞬間」を生きている実感だった。 マイファスのライブは、そんな「狂熱」を体験できる貴重な場だ。彼らが次にどんな舞台で私たちを驚かせてくれるのか、今から楽しみで仕方ない。 「心から愛してるよ。豊洲!最高の2日間でした。」と深々と頭を下げるHiroの姿に、割れんばかりの拍手が贈られた。この日の豊洲PITは、マイファスとファンが共に紡いだ「狂熱」の証だった。彼らが切り開く未来に、筆者は大きな期待を寄せている。

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